名優・柴田秀勝さんが語る“声優道”第3回では現場で実際に柴田さんが感じているコトを語っていただきます。
しばたひでかつ……3月25日生まれ。青二プロダクション所属。主な出演作はアニメ『マジンガーZ』あしゅら男爵、『NARUTO-ナルト-』の3代目火影ほか多数。テレビ『水戸黄門』ナレーション。ドキュメンタリー映画のナレーションで文部大臣賞、通商産業大臣賞受賞。


声優になるには2〜声優? 誰でもなれるはずです!〜
声優は、俳優の仕事の一部分。心を演じる、人間を演じる俳優になれ
前回は専門学校、養成所に入る前の心構えとトレーニングについて紹介しましたが、今回は現場で私が感じていることを率直にお話しましょう。 ここ10年ぐらい仕事の現場で感じることですが、若い人たちの演技はどうしても底が浅いような気がしてなりません。大変な苦労をしてせっかくのヒーロー、ヒロインを獲得したのに次へのステップアップにならない。つまり使い捨てになってしまう人達がいます。本来なら1本レギュラーをとったら、それを足がかりにして一歩一歩階段を昇っていかなければならないはずなのにね。 声優になるために、声優の勉強をして、声優になっちゃった、という人達も多い現在、映像に声をあてることだけはむしろ僕らよりうまい人がいます。でも残念ながら、心を演じていない、人間を演じきれていない。つまり「らしく」演じる類型芝居ってやつですね。 昔から「歌は語れ、セリフは歌え」と言うけれど、「歌い手がこんなにすごい芝居をするのか」って驚かされるケースがたくさんあるじゃないですか。あれは歌詞で心を語って曲にのせるという、役者の基本が身に付いているからだと思います。 役者の芝居を優先して絵を直す。こんなことだってあり得るんです。もちろん、セリフの寸法は守るように努力はします。しかしセリフは「間」の芸術ともいわれるように、「間」と「リズム」はセリフの基本ですから。そうなった場合は演出家が「イエス! 芝居優先、絵を直します」といったことだって可能なんです。あなたが持つ「五感の記憶」を大切に保存

声優として成功する秘訣は「人間付き合い」と「器材付き合い」
この世界は、人間が人間を使います。うまい、へたもあるけれど、好みの人間を採用することも多い。だから寡黙な人、人付き合いが苦手な人は向かないようですね。実は社交術も、役者として成功するひとつの要素。だからといってプロデューサーやマネージャーにわざとらしいお世辞を言った覚えはありませんよ。心の持ち方一つで変わってくるものがあるということです。 それから我々の商売は、器材との関係も重要です。相手は一生マイクですから、声優になろうという人はまず録音器材を手に入れること。数千円のものから始めればいいでしょう。自分の声を繰り返し聞いて、耳をよくし、欠点なり長所なりを発見するのです。我が家はもうスタジオ状態ですよ(笑)、次から次へと買い換えていきましたから。1週間に1回は録音し、それを寝る前に聞く、車に乗ったら聞く。自分の声に惚れているわけじゃない、欠点を見出すために何度でも聞くのです。 今ではアナウンスブースを備えた「東高円寺スタジオ」まで作って、毎週、RME所属の若手声優達等と一緒にトレーニングに励んでいます。リズムを体で覚えるためのトレーニングが身近にたくさん


第3回 声優になるにはA〜声優? 誰でもなれるはずです!〜
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